きょうを書いとこ日記

きのうとほんの少し違うきょう。だけど遠いあの日とはだいぶ違う。何から書こうか。ええと、そうだな、とりあえず、

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ファンヒーターの殺意

帯広でミステリイベントやってきました。

金曜の早朝に東京を発つ時、既に寒かったので、タートルネック+フリース+ダウンのロングコートという重ね着をし、更に肌着の上からサロンパスのようなカイロを隠し貼りした。へへへ、これでよし。

御蔭さまで体の芯は一度も冷えることなく夜まで過ごせた。 外気に触れた首筋がほんの少し肌寒さを覚えただけなのだ。さて、夕方ホテルの部屋に入ると、もわっと温かい空気に包まれる。部屋の石油ファンヒーターが27℃で設定されている。よしよし。更に、更に、北海道遺産にもなっている世界でここだけというモール温泉に浸かると、もう体は充分に温まり目はとろりん、安らかにベッドの中へ…

真夜中。

あまりの寒さに飛び起きる。
おおお。さむ。こ、これが北の大地の冬なのか。待てよ。冷静になれ、ヒーターはどうなってんのだ。部屋の奥に置かれたファンヒーターを覗くと「給油ランプ」が点滅している。お、おまえ…。俺が眠ってから何時間後に切れたんだよ。下手すりゃ風邪引くぜ。

凍えながらフロント番号を押し、給油してくださいと告げると、5分後に部屋の前で「ごめんね」という声が聞こえる。ドアを開けると、ダウンジャケットのオジサン2人が立っていた。
なんだか外から訪れたかのような防寒バッチリのオジサンペアは、ぶるぶる震えている俺に満面の笑顔を向けて、「ごめんね、さむいね」と、ふたりして同じ笑顔と同じトーンをぶつけてきた。石油缶を抱えて、えっちらおっちらと部屋の中に入って来る。

オジサンペアは、缶を重そうに持ち上げながら、眠さが寒さで吹き飛び目が見開いている俺の顔を見て、「ごめんね。今入れるからね。この部屋は角部屋だから、寒いんだよね」いや、そんな子供をあやすように言わなくていいんで早く入れてね。満タン缶へ入れ替え終わると、ふたりはドア際で、仲良く並んで「ごめんね」を連呼してから去っていった。

この石油残量はいったい誰がチェックする役割なんだよ?
たぶん、あのオジサンたちの仕事ではないだろうな。
ベッドメイキングするオバサンが、チェックすべきだろ。
でも待てよ。あのオジサンペアは本当にホテルスタッフなのか。
石油缶の運び屋としてのみ雇われてるのか。
まあいいや、こんな深夜にオジサンのことを妄想してもしょうがない。
部屋があったかくなってくれれば、それでいいんだ。


給油された直後ファンヒーターは、グオンとひとつ低い音をさせて動き始めた。
その時、部屋温度がデジタル表示された。
「マイナス」からのスタートである。おおお、神様~っ。
早く上がってくれ、と祈っても急には部屋温度は上がってくれない。
少しずつ上昇して5℃になった時、このまま部屋にい続けることの
身の危険を感じた俺は深夜にホテルの一階奥にある大浴場へと向かった。
スリッパを履いた足が凍るよ。勘弁してくれよ。

そして翌晩。

打ち合わせから開放されて夜の2時に部屋に戻った。
おそらく「もわっ」とした暖気が迎え入れてくれるはず。

が。えっ。
なぜに自分の肩は振るえるのだ。
なぜに自分の頬は引きつるのだ。
なぜに自分の股間は縮こまるのだ。

おそるおそる部屋の奥にある石油ファンヒーターを覗く。
カラータイマーがピコンピコンしている。
昨晩と一緒、デジャヴュだ。

おまえ、いちにちも、もたんのか。

俺を殺す気か。

再びフロント番号を押して、給油してくれと告げる。
間もなくドアの向こうの廊下から穏やかな声がする。

「ごめんね」

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  1. 2008/01/22(火) 14:13:04|
  2. きょうの体験

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